リブリエは、文字表示がなめらか。 小説を読みたくなる端末です。
ライター 福島 千種さん
(1)何を使って読んでいるの?
PDAや携帯電話でも読みますが、リブリエで読むことが多いですね。 リブリエは、とにかくディスプレイの文字表示が すごくきれいで、なめらか。 「読む」ことに特化した端末だと思います。 ある程度の時間読み続けていても目が疲れないので、 E INK方式電子ペーパーという技術でより紙に近いディスプレイを 目指したソニーさんに拍手!という感想でした。 文字拡大機能も搭載されているので、 操作さえ覚えれば年配の方でも快適に読書が楽しめるのでは ないでしょうか。 その反面、PDAなどに比べて動作が遅いのですが、 使っているうちにこれにも慣れました。 むしろページめくりのスピードなどは、 まったり読みたい小説なんかには向いていると思います。 小説をじっくり読みたくなる端末です。 ウェブのデータやテキストデータを変換し、 リブリエで読めるようにするソフトがありまして、 ソニーのサイトからダウンロードできるようになっています。 これを手に入れておけば、「青空文庫」 の小説なども 持ち歩けるようになるので、大変便利です。 ウェブのテキストやニュースを変換し、 これに入れて読むこともあります。 難点といえば、ボタンの位置。 手の大きさにもよると思いますが、 位置が微妙で親指がつりそうになることもしばしば。
リブリエで読む本は、「タイムブックタウン」で購入します。 書店で平積みされている新刊なども多く出ているのが うれしいですね。 これからさらに作家さんが増えるといいな、と思っています。
残念なのは、基本的に貸本スタイルであるということ。 せっかくコンパクトなリブリエにたくさんの本を持ち歩けるのに、 貸本だから期間限定でしか読めないため、 一度に多くの本を入れておくと 結局読めずに終わってしまうこともあります。 一冊の値段がもう少し高くてもいいから、 ぜひぜひ買い取り方式にしてほしい!
(編集部注:現在は買い取り方式にも対応しています)
(2) どういう時に読んでいるの?
頻度が多いのは電車の中ですね。あと、実家に帰省する時など 数日分の小旅行の時にも、何冊かダウンロードして持っていきます。 本を持って行くと重くて大変ですけど、これなら荷物が少なくてすむので 助かります。電車の中でリブリエを広げても、覗き込まれることはありませんでした。 PDAを使っていると、よく覗き込まれますけど。リブリエは形が本っぽく見えるから、 あまり珍しがられていないのかもしれませんね。
普段でも考えがまとまらないときや落ち着きたいときは、 よく本屋さんに行くんです。私、本に囲まれていると安心するんですね。 家でも、「狭く見えるじゃん」と言われますが、リビングに天井までとどく どんと大きな本棚を置いています。気に入っている本の背表紙を 眺めているだけで幸せなんです。電子書籍で好きな本を たくさん持ち歩きたいという気持ちも、それに近い感覚なんじゃないかと思います。 iPodで音楽を持ち歩くように、好きな本を持ち歩いて読みたいときに読めるというのが、 とても嬉しいんです。
(3) お勧めタイトルは?
まず、「半農半Xという生き方(塩見 直紀)」。 以前、紙の書籍で購入したことがあるんですが、 再度読みたくなってダウンロード購入しました。 著者の塩見さんの半自給的な農業とやりたい仕事を両立させる生き方と、 「半農半X」を提唱するだけでなく、実際にその暮らしを実現している姿に惹かれます。 著者が住む京都府綾部市では、多くの人が多彩な半農半Xの生き方を実現しているそうで、 その事例も数多く紹介されています。まったく同じスタイルは無理でも、 少しづつこういう生活を目指していきたいなあと考えつつ、読み返しています。
それと、「小さな農園主の日記(玉村 豊男)」。 日常生活が淡々とつづられた文章を読むのって大好きなんです。 それが好きな作家やアーティストの日記だったらなおさらのこと。 この本は、著者の玉村さんが53歳の誕生日から1年間、料理のこと、 農業のことなどをユーモアたっぷりにつづっている一作です。 玉村さんは料理本、エッセイストとしてたくさんの本を出版されています。 私自身も食いしん坊なので、つづられている氏の豊かな食卓や 農業の厳しさなどを興味深く読んでいます。
最後に「すべてがFになる(森 博嗣)」。 第1回メフィスト賞を受賞した著者のデビュー作で、 こちらも以前に書籍で読んだことがあるんですが、再度ダウンロード購入しました。 作品の中にコンピュータが頻繁に登場するせいでしょうか、 私の中では「ぜひとも電子書籍で読みたい作家」ナンバーワンが森博嗣さんなのです。 ミステリーって、一度読み終わるとなかなか読み返したりしないのですが、 森氏の作品は登場人物が魅力的で、何度読んでも面白い! TimebookTownではまだ2作しか購入できないようですが、 ぜひ買い取りで全作品揃えたいと切に願っています。
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