デジタルvsアナログ、予定管理はどちらが便利?

スタッフコラム

予定は、これまでアナログよりデジタルで管理したほうがいいと思っていた。しかし今は、デジタルよりアナログが優れているように感じている。特にA4サイズのカレンダーは、今の私の仕事環境において最適な選択肢だ。その理由として、一覧性の高さ、操作性、(特に今の時代においての)実用性、電話対応時の使いやすさといった利点が挙げられる。この記事では、その理由について説明していく。

仕事環境によって変わる予定管理の最適解

私はこれまで、Googleカレンダー1本で予定を管理していた。Googleカレンダーの最大の魅力は、予定がクラウドで管理できるという点。パソコンで入力した内容がスマホでも確認でき、スマホで修正した予定は即座にパソコン版に反映される。いつでもどこでも同じデータが閲覧できるメリットは高かった。

だが、コロナ禍でリモートワークが定着し、オンライン打ち合わせや取材が増加するなか、このメリットがさほど意味を持たなくなった。外出する機会が少なくなれば、クラウドで管理する意味が低下する。そこで、A4サイズの紙のカレンダーを試してみることにした。その結果、予想以上の効果が得られたので、この記事でお伝えしたい。

アナログ管理への回帰

A4カレンダーを使う最大のメリットは、一覧性の高さだ。A4カレンダーは月間の予定が一目で把握できるため、繁忙期や余裕のある期間が視覚的にイメージできる。Googleカレンダーでは週表示と月表示を切り替える必要があったが、A4カレンダーではそんなことをしなくても全体像と個々の予定が一度に確認できる。

手間がかからないということも痛感した。スマホを取り出し、ロックを解除し、アプリを起動するという一連の動作はさほど面倒ではないと思っていたが、A4カレンダーを使い始めると大きな違いを感じた。A4カレンダーの場合、単に顔を上げてデスクの上のカレンダーを見るだけで予定確認が完了する。この「ひと手間の削減」が想像以上に大きいと感じたのだ。

先述の通り、リモートワークの普及によってデータ同期の必要性が低下したことも大きい。外出の機会が減少し、大半の時間を自宅で過ごすようになったため、スマホとパソコンでのデータ同期の意義は薄れている。たまに外出するときはカレンダーを持っていけばいい。そのためにA4サイズを選んだ。A4であれば、たいていのビジネスバッグに収まるし、他の資料と一緒に収納できる。

意外に便利だったのが、電話対応時だ。クライアントから電話で日程調整の問い合わせがあった場合、スマホで通話しながら同じスマホでカレンダーアプリを操作するのは難しい。しかしA4カレンダーであれば、通話中でも目の前の予定表を確認するだけで迅速に回答できる。

アナログとデジタルのハイブリッド管理へ

以上の理由から、予定管理はデジタルよりアナログ、特にA4サイズのカレンダーが優れていると感じた。

しかし、完全にアナログ回帰するつもりはない。重要な会議前のリマインダーやメンバーで共有すべき予定は、今まで通りGoogleカレンダーを併用していく。二重の入力になるため面倒なようにも思えるが、その一手間をかけることによって日常的なストレスが解消されると思えば苦にならない。入力時の手間と確認時の手間、どちらを重くみるかによって最適解は変わるだろう。

働き方が多様化した今、予定管理の正解はない。個々人の働き方やライフスタイルに合わせて柔軟に選ぶ必要があるように思う。デジタルとアナログ、それぞれのメリットを理解し、うまく組み合わせることで、より快適で効率的なワークスタイルが見つかるはずだ。

井上 真花(いのうえみか)

井上 真花(いのうえみか)

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。

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