岸田裁月という本物の天才
この業界に入ってずいぶんになるが、ここまでの天才に出会ったことはなかった。岸田裁月…この人こそ、本物の天才だと思う。彼という人物に出会えただけでも、電子書籍を始めた甲斐があった。
彼がいかに天才なのか、数々のエピソードをすべてご披露したいけれど、今回はひとつだけご紹介しよう。すでに「殺人博物館」シリーズを3本、「最低映画館」を2本出した彼の最新作は、「最低映画館 血みどろ編」。実は、彼は文章を書くだけではなく、表紙や中のイラストまで自作しているが、今回の作品の表紙案も秀逸だった。
最初に納品されたのが、これ↓
そのクオリティの高さに感激しつつも、「さすがにこれヤバイでしょう」と腰が引けてしまい、岸田氏に「もう少し刺激の弱いものになりませんでしょうか」とお願いしたところ、次にきたのがこれ↓
ま、たしかに血みどろ映画の定番だし、現実にやろうと思ってもなかなかできるものではないので、これならいいかと販売サイトに相談してみたところ、「いや、ぜんぜん駄目」と却下されてしまった。再度のダメだしに恐縮しつつ、岸田氏に「要は、血と凶器がいけないらしいんですよ…」と相談してみたところ、最後に届いたのがこれ↓
この絵につけられていた岸田氏のコメントが、これ↓
実は当初からあったアイディアがありまして、それは「ビーカーに血」というイメージでした。しかし、それではあまりにも地味だと感じたために「斧」にした経緯があります。そこで、当初のイメージで作ってみました。ビーカーの中身はあくまで「トマトジュース」であります。
私は、このコメントと絵を交互に見ながら大爆笑。これでどうだと販売サイトに送ってみたところ、「やられました…こうきましたか」と、担当も苦笑している様子。無事、この表紙案が採用された。
しかし、この程度で驚いていてはいけない。さらに彼は、こんなものまで作ってしまったらしい。
これは、彼の前作「最低映画館・SF映画編」のプロモーションビデオだそうで…。ここまでやられてしまうと、もう平身低頭しつつ「おそれいりました」というよりしょうがない。
というわけで。この日記で岸田裁月氏に興味をもった方、彼の数々の著書はこちらにあります(上記の「最低映画館」2本も、購入できます)。ゴールデンウィークのひととき、マイカの電子書籍で「本物の天才」に出会ってみてはいかがでしょうか。