硫化水素自殺という言葉をあんまり聞かなくなったと思っていたのに、今日のニュースにこんな数字が。
硫化水素自殺の方法を知らなかったら、このうち何人が、今も生きていたのだろう。そんなこと考えても、意味がないかもしれないけれど。
高校時代、友達が自殺したとき、彼女の気持ちを分かっていたら止められたのに…と泣いていた私に向かって、当時の担任の先生が「人が死ぬと決めたとき、他人がなにかできるもんじゃない。自分がなにかできたはず、なんて思うのは思い上がりだ」と言った。そのときは、この言葉を聞いてとてもショックを受けたけど、あとで考えると確かにその通りだな、と。
しかし、たとえそうだとしても、やっぱりなにかしておきたいと思った私は、マイカから「ネット心中」という本を出版した。これは、以前NHK出版から発売されていた本と同じ内容だが(現在は絶版)、電子書籍化するにあたって、著者にお願いし、硫化水素自殺の実態についての記事を追加してもらった。
こんな時代だからこそ、悩む人は多いのだろう。最近、個人的に悲しいニュースを耳にすることが多くなってきた。このブログを読んだ人の中で、もし周囲にとても苦しんでいて、自殺をほのめかすような人がいたら、この本を読んでもらうのもいいかもしれない。
これは、自殺幇助でも、自殺抑制でもなく、ただ淡々といろんなネット心中やネット自殺についてレポートしているだけの本だ。しかし、だからこそ本物の迫力が伝わると思う。