親友の定義って、いまひとつよくわからないんだけれど、もし「あなたの親友は?」と聞かれたら、そのときは、彼女の名前を言おうとずっと決めていた。
彼女は、同じ大学の同期だった。初めて会ったとき、私は彼女に一目惚れした。「この子と絶対に仲良くなる!」と決めて、見かけるたびに声をかけた。そうしているうちに、いつの間にか無二の遊び仲間になった。
彼女は、「この子モデルやってるの」といえば誰もが信じるほどの美人で、プロポーションも抜群だった。なのに、なぜかまったく男っ気がないまま青春時代を過ごし、卒業後は就職し、ずっと仕事を続けていた。そんな彼女も、お見合いの末に結婚することになり、結婚式に呼ばれていったとき、私はスピーチで大泣きして、言葉が続かなかった。ウェディングドレスで微笑む彼女を見て、胸がいっぱいになってしまって。そんなことは、あとにも先にもそれっきりだったんだけど。
そんな彼女から、久しぶりに電話がかかってきた。
「みかちゃん、今いい?」
「うんうん、どうしたの?」
「あのね、大変なことがあったの」
「え、なに?」
「昨日の夜ね、旦那が死んじゃったの」
あまり感情を表さない彼女が、電話のむこうで鼻声になっていた。
「突然のことで、どうしていいかわからなくて。マッサージとかしてみたんだけど、もう腕も足も青くなっていて」
お風呂の中で死んでいたご主人にむかって、混乱しながらも必死で取り戻そうとしていた彼女の姿を思うだけで、もうたまらなくて。私たちは、電話のあちら側とこちら側で、ただぐしゅぐしゅと、言葉を詰まらせていた。ああ、情けない。こんなときに、こんな遠くにいて、あの子になにもしてあげられないなんて。
コメント (1)
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投稿者: newark | 2010年12月31日 11:47
日時: 2010年12月31日 11:47