超絶ギタリストであり、クォーク日本版ローカライズの立役者でもある荻島氏。彼の奥様が、渋谷で開催するグンデルワヤン発表会で演奏するというので、彼に借りていたものを返しがてら、渋谷山東福寺霊苑まで出向いてみた。
グンデルワヤンを知らない人のために。「pondok gender wayang」の説明によると、「鉄琴状の青銅鍵盤(10枚)のそれぞれに竹の共鳴胴を持っています。楽器の左右の柱から紐を通して鍵盤を吊ってあります」とのこと。写真で見ると、形状はこんな感じ。楽器というより、美術品のようだ。
そして音は、こんな感じ。
楽器として一番近いものを挙げるとするならば、マリンバかな? でも、いろいろ違いはあって、たとえばマリンバは立って叩くが、グンデルは、座って叩く。また、マリンバは一人で一度にいろんな音を出すけれど、グンデルは4人一組で演奏し、音を4人で分け合って奏でる。それは、「何でも分かち合う」というバリ独特のコンセプトによるスタイルでもあるそうな。
グンデルは、通常4台ひと組で演奏するが、それぞれ少しずつ音の高さが違っていて、一緒に叩くとそのズレが微妙な響きを生み出す。その結果、音が「ゆらぐ」。この「ゆらぎ」が、おそらく人間の「脳」に不思議な影響を与えて、聴いているうちになんともいい気持ちになってくる。
これまで、あまりバリの音楽に触れる機会はなかったので、今日は初体験に近い状態だったが、2時間に渡ってじっくり聴きこんだせいか、すっかりハマってしまった。正直、ヤバい。ちょっと中毒になりそう。