さっき娘がいった言葉だ。
たぶん、娘はかなり疲れていたのだろう。朦朧としながらお風呂に入ったので、とても心配だった。そして、お風呂からあがってきた彼女が言った台詞が、これ。それを聞いて、やっぱりお風呂の中で寝ていたのかと慌てたが、そうではないらしい。
なんでも、お風呂の中でいろいろ考えたそうだ。一日の出来事や、友達のこと。
「お風呂って、夢みたいね。すごくいろんなこと、考えちゃった。そんなつもりなかったのに、一日のことを全部思い返していたみたい」。
では、今まではどうだったのかと聞くと、「今日は、たまたまケータイを持って入らなかったから。いつも、お風呂でmixiみたりニュースみたりしてたからね。でもよく考えてみれば、そんなことはどうだっていい。今日みたいに、ぼんやりお風呂で一日のことを思い出すほうが、ずっとよかった。今まで、随分もったいないことをしていたね」。
この話をきいて、ちょっとジーンとしてしまった。娘は今日、大事なことを発見し、別のステージへと移っていったような気がしたからだ。もの思う人生、思わない人生があるとしたら、私はやっぱり思う人生のほうが好きだ。彼女もまた、もの思う人生を歩む人になるのだろう。いろんなことを感じ、考えて、毎日の暮らしをじっくり味わって欲しい。