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生きるも死ぬも

本日、赤坂にて吉若氏のお別れ会が開かれた。式には数百名の参列者が集まり、それぞれ献花し一礼して、亡き吉若氏に別れを告げた。詳しくは知らないが、おそらく各界の大御所といわれる方々だろう。大の男がハンカチで目頭を押さえるのを、式の途中で何度か目撃した。多くの方に愛された人生だったのだろう。

奥田社長の弔事はいつものように明るくスムーズで、その明るさが切ないと思いながら聞いていたら、弟さんを紹介されたあと、唐突に言葉が途切れた。どうしたのかと気をもんでいたら、長い間のあと、ようやく「葬式で、彼は何度も柩を叩きながら泣くのですよ。気持ち、わかります」と続けた。

創業以来、三つ巴で会社を引っ張ってきた仲間が、昨年、今年と相ついで亡くなった。残された社長の気持ちは、いかばかりだろう。ずっと一緒だった仲間をなくしても、悲しみで胸がつぶれそうになっても、彼は歩みを止めることができない。それは、そこに守らなければならない社員がいるからだ。なんと辛く、寂しく、厳しい道だろう。

志半ばで旅立たなければならなかった吉若氏は、もちろん、さぞ口惜しいだろう。しかし、残された者の苦しみもある。私がもし「どちらを選ぶ?」と聞かれたら、なんと答えるだろうか。今日は、どちらも同じように見えた。


コメント (2)

リエ:

人生は生きてこそ華、生きている間は哀しみも苦しみも享受してその人なりの美しい華を咲かせるのでしょう。死する時は散るのではなく、人々の中に記憶という種を蒔いていくのだと思います。自分という人間が確かに存在したという記憶、同じ時を歩んだという置き土産を残して旅立つ。その種がどう育つかは…今度は残された者次第…。

だからこそ人生は素晴らしい。私はいつもそう思っています。

真花:

リエちゃん、いつも本当にありがとう。
リエちゃんとは、よくこういう話をしていたような気がします。
吉若さんが撒いた種を、今度はみんなが育てていくんだよね。
その中に、確かに彼は生きている。
そうは思うものの、まだ今は悲しくてやるせないという気持ちもある。
ほんと、別れはつらいものです。

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