「45日間奈良時代一周」というテレビ番組で、はじめて「蘇」という食べ物を知った。「蘇」を「Wikipedia」で調べてみると、
蘇(そ)は、古代の日本で作られていた乳製品の一種。8世紀から10世紀にかけての頃、日本で最初に作られたチーズである。製造方法は、延喜式の中にも記録されている(物納として用いられたことから)。また、蘇をさらに熟成・加工して醍醐(チーズ様の乳製品)も作られた。
とある。番組内では、長尾王が好んで食べた食物として紹介し、その作り方を説明していた。なんでも、「1斗の乳を火にかけ、かきまわしながら8時間煮詰めると、1升の蘇ができあがる」とのこと。牛乳だけで作り、ほかには何も入れない。出来上がったものは、想像に反して黄味を帯びた、チーズケーキのような色合いだった。これを見て、大変「蘇」に興味をもった私は、なんとしてもこれを食べてみたいと思うようになった。
本日、相方がインターネットをみていて「蘇が、新宿にあるらしい」といった。となれば、これは買いにいくしかない。その店とは、新宿南口の近くにある「みやざき館」であった。そこで手にいれたのが、これである。
ゴディバのチョコを思わせる高級感のある箱をあけると、そこにこの「蘇」が2本入っていた。これで、ひと箱1000円。高価だが、作る手間を考えると、それも当然と思う。
さっそく食べてみた。味は、チーズケーキやキャラメルに近い。水分が少なく、ぱさつく感じ。不思議なことに、他になにもいれていないはずなのに、なぜかほのかに甘い。ただ、食べた後、口の中に広がる香りと味は、たしかに牛乳だ。ためしに、日本酒と一緒に食べてみたところ、大変よくマッチした。たぶん、こうやって食べるものなのだろう。