12.10 プロレスリング・ノア 日本武道館大会で、
丸藤正道 vs 三沢光晴 のGHCヘビー級選手権が決定した。
丸藤は、若干27歳のチャンピオン。
三沢は、いわずと知れた、名実共に日本のトップレスラーである。
前回のKENTAでは「内容」を求められた丸藤。
「Jr.ヘビー級の体格ながら、ヘビー級を凌駕する試合」
「旧世代の闘いを超えた新時代のプロレス」
「旧世代の闘い」とは、いわゆる「四天王プロレス」のこと。
90年代に三沢・川田・田上・小橋の「四天王」と呼ばれた男たちが、
全日本プロレスで繰り広げたハイスパートなプロレスである。
脳天から落ちるバックドロップやジャーマンスープレックス。
相手の先の先を読む攻防が繰り広げられ、「カウント2.9」が応酬される。
首都圏連続満員記録が続き、深夜のテレビ放送は高視聴率を獲得。
30分を超える闘いは当たり前。時には、60分フルタイムドローも珍しくない。
まさに、世界に類を見ない孤高のプロレスだ。
「丸藤正道 vs KENTA 」は、「四天王プロレス」にない、
もっと動きの速いハイスパートなプロレスを提唱した。
2006.10.29 に行われたこの試合は、あの時の「四天王プロレス」の
雰囲気を甦らせつつも、もっとスピード感に溢れた「命を懸けた」プロレスだった。
−−そして、時代が交わる時が来た。
丸藤は、三沢の元・付き人である。
プロレス観から私生活に至るまで、新人からその身で学んだという。
「丸藤正道 vs 三沢光晴」は、「内容」よりも「結果」を求められる。
プロレスは、「結果」よりも「内容」を問われる場合が多い。
たとえ試合に負けたとしても、観客の胸に響くレスラーが人気を集めるからだ。
しかし、こと「丸藤正道 vs 三沢光晴」で言えば、
「新世代 vs 旧世代」、「師匠超え」という意味合い以上に、
「新世代プロレス vs 四天王プロレス」というテーマがある。
負けたら終わり、なのである。
三沢にかつての全盛期のキレがなくなっている。
もしかしたら試合内容はゴツゴツとして、
あっけないものになるかもしれない。
しかし、「結果」が欲しい。
丸藤には説得力のある勝ち方で、
ぜひ、正々堂々と世代交代を果たしてもらいたいと思う。