Legend Of Rock物語 〜プロローグ〜
「No music,No Life」…たしか、TOWER RECORDSのキャッチフレーズだった。私は、このフレーズがとても気に入っていて、シールを携帯電話に貼り付けていた。
「音楽なしでは、生きていけない」。最初にそう思ったのは、中学生になった頃だったか。それまで歌謡曲しか聞いていなかった私が、なにを思ったか、突然「KISS」と「QUEEN」のアルバムを買った。レコード屋でこの2枚を手にしたとき、自分自身がすっかり変わってしまうような気がしたのを今でも覚えている。あの日を境に、私は二度と元の世界に戻れなくなってしまったのだから。
あれから30年。私はまだ、その延長線上にいる。あの頃夢見たようにプロミュージシャンにはなれなかったけれど、それでもなんとか音楽に関わっていたいと、音楽雑誌に記事を書いてみたり、ライブイベントをサポートしたり、セッションバンドに参加したりして自分を慰めている。
とくにお気に入りは、「Legend Of Rock」というイベントである。このイベントは、渋谷の「Duo Music Exchange」というライブハウスで、月に1〜2回開かれていて、毎度さまざまなトリビュートバンドが出演している。
彼らに共通しているのは、ロック界の先人たちをリスペクトし、常に畏敬の念を抱きながらプレイしているということ。彼らが模そうとしているのは、プレイやルックスだけではない。当時、そのミュージシャンが作り出していた世界観や魂、生き様までも、すっかり再現しようとしているのだ。一度ステージを見れば、その熱意が分かる。そして虜になる。
そんなわけで、私は今、ほぼ毎月このイベントを見に行っている。できればプレイヤー側になりたいという野望もないわけではないが、悲しいことに実力が伴ってこない。
このままでは、あまりにも口惜しい。そこで私は、フィールドであるテキストで「Legend Of Rock」の世界を作り出してみようと思いついた。ということで、このコーナーでは、伝説のRockバンドを紹介していこうと思う。
しかし、代表曲やライブレポートだけでは、Legend Of Rockにはならない。できれば、その頃彼らが放っていたオーラまで、テキストで再現してみたいと思う。ただの思いつきなので、うまくいくかどうかは私にも分からないが、もし興味があれば最後までお付き合い願いたい。
それでは、皆様。「It's Show Time!」