格安SIMを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)の数は、総務省が把握する数に限っても2017年9月末時点で753社(2017年12月22日発表)に上る。
格安SIMが登場した当初は、IIJ、OCN、BIGLOBEなどISP(インターネットサービスプロバイダー)や大手通信会社が主なMVNOだった。だが、現在の格安SIM市場は、企業規模、業種ともに多様な企業が参入するレッドオーシャンとなり、激しい競争にさらされている。
「FREETEL」ブランドで事業を展開していたプラスワン・マーケティングは2017年12月に民事再生手続きを申請した。今後、体力に乏しい事業者は、格安SIM市場からの撤退を余儀なくされることもあり得る。
そんな格安SIM市場において、筆者が注目しているのが、ケーブルテレビ局や不動産会社などが提供する「地域密着型」の格安SIMサービスだ。
大手の格安SIMではインターネット経由の申し込みやサポートが中心で、実店舗は大都市圏や都道府県庁所在地などの人口密集地に集まりがち。一方、地域密着型のMVNOが提供する格安SIMには、地方の小さな街でも店舗を構えて訴求したり、契約受付やサポートを提供したりしやすいといった、独自の強みがある。
そこで今回は地域密着型格安SIMとして、筆者が住む長野県佐久市の「SAKUケーブルスマホ」(佐久ケーブルテレビ)と、ケーブルテレビ事業者としては早い時期にMVNOに参入した愛媛県松山市の「ケーブルモバイル」(愛媛CATV)について、実際にどのような取り組みを行っているのか取材した。
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