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PDAの黎明期、ユーザーたちが使いたいと願ったデバイスは、常に海外にありました。そのとき最初の難関になったものは、なんだと思いますか?……日本語化、と答える人は多いと思います。しかし本当は、その前に必要な物、つまり「文字(フォント)」だったんです。
日本語を表示・入力するには、日本語化システムが必要です。しかし、たとえそれを準備できたところで、肝心のフォントがなければ、なんともなりません。今となっては、想像だにできないことだと思いますが、当時はこの「フォント」がなかったんです。
この壁をどうにか突破しようと立ち上がったのは、パソコン通信最大手として人気を博した、「NIFTY-Serve」のFHPPCフォーラムに集結したヘビーユーザーたち。「ないものは作ればいいんじゃない?」というシンプルな提案は、多くの人たちの手によって少しずつ現実のものとなり、ついに「恵梨沙フォント」が生まれたのです。
今回、PDA博物館に登場するのは、当時FHPPCフォーラムのシスオペであった、NORI氏。HPのミニPC「HP95LX」を日本語化する際に誕生し、その後、PDAの日本語化に欠かせない存在としてPDA業界を下支えしてきた、「恵梨沙(えりさ)フォント」の誕生秘話に迫ります。
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