その女性の肉体は消えた。残されたのは、空中に写り込んだ彼女の姿だけだった。前から見ても、横から見てもはっきりと見えるのに、厚みがなく触れることができない。透き通ってさえいる…。
ある日起きたその事件は、やがて世界中に広がり、様々な生き物が空中写真に変えられていった。いったいなぜ、こんなことが起きるのか。調査の果てにたどり着いた意外な存在とは。
楠田文人さんが描く不思議ワールドの(私的)ベストワンがこの作品。この不可思議な読後感、なにかに似ている……と考えていたら、これでした。「世にも不思議な物語」の第374話 「影が重なる時」。
運命の残酷さと、受け入れざるをえないと諦める切なさ、命の不思議。そんな、なんともいえない気持ちをじっくり味わえる秀作です。
ああ、そういえばこんなのもありました。これも好きだったなあ。
「神はサイコロを振らない」 http://kamisai.jp/
わかる人にはわかるはず。このあたりが好きな人は絶対ハマります。おすすめです。
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