【コラム】一番嫌いなのは、自分が正しいと思い込むこと

スタッフコラム

2月24日、NHKで「塩野七生と高校生の対話」の再放送を見ました。塩野七生さんといえば、歴史エッセイがおなじみ。「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」の著者です。

そんな塩野さんが17歳の高校生たちと対話するという番組。テレビをつけたとき、たまたま再放送が放映されていたので、途中からですが、最後まで見てみようと思いました。

塩野さんは、御年82才。滑舌がいい話し方ではありませんでしたが、高校生たちは、ただの一言も聞き逃さないように、じっと塩野さんを見つめて熱心に話を聞いていました。

高校生たちは、塩野さんにさまざまな疑問をぶつけます。それに対して、丁寧な説明を試みる塩野さん。そのなかにいくつか印象的な言葉がありましたが、ひとつだけご紹介します。

高校生「正しいことはありますか?」
塩野さん「正解はないと思った方がいいわ」

そのあと、こう続けました。
「私が一番嫌いなのは、自分が正しいと思い込むこと。『みっともない真似はしない』は規範になるけれど、そこには正しいか否かという基準はないわね」

さすがです、塩野さん。私がなんとなく感じていたことをズバッと言葉にしてくれた。そうそう、そういうことなんだと思います。

今日もできるだけみっともない真似をせず、スキッと、スカッと生きていきたいものですね。

井上 真花(いのうえみか)

井上 真花(いのうえみか)

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。

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