休校が続くこの時期、家庭のなかでどんなことが起こっているか知りたくて、先日、小学生のママたちを集めてオンライン座談会を開きました。
お話を聞く前、私はぼんやりと「お子さんの相手や食事の準備が大変なんだろうなあ」と想像していたのですが、現場の声を聞くとそれどころではありません。ママがサポートしている範囲は、子どもの友だち関係や勉強の進め方、感染予防&体力問題など、想像以上に広範囲。聞いているだけで、気が遠くなりそうでした。
そんな中、1人のママがこんな話をしました。
「教育機会は、平等に与えられなければなりません。この『平等』という考え方、フィンランドと日本ではちょっと違うようです。日本でいう『平等』は『Equality』、つまり同じ高さの踏み台を用意すると言うこと。子どもたちはみんな背の高さが違うから、同じ高さの踏み台に乗ると、それぞれ見える景色が違う。
一方、フィンランドでの『平等』は『Justice』。背の高さが違うのであれば、その人にあった踏み台を用意し、みんな同じ景色が見えるようにするということ。人はそれぞれ異なった存在で、必要とするサービスは一人一人違います。その前提がわかっていれば、必要とするサポートが違うということも理解できるはず」
この話を聞いて、なるほど!と思いました。6月には、学校が再開されると聞いています。これまでにないほど長期に亘って学校から遠ざかっていた子どもたちは、学校再開にむけて大人のサポートを必要としているはず。そのとき、どんなサポートをすればいいのか。
これまで日本では、全員一律同じ扱いをすることが良しとされていましたが、今回はそれだけではうまくいかないような気がします。オンライン教育が受けられた子どもと受けられなかった子ども、お母さんが勉強を教えてくれた子どもと親が仕事で家にいなかった子ども、塾に行けた子どもと行けなかった子ども。みんな状況は違います。
ここはひとつ、フィンランド式で。子どもたちの状況を丁寧に見て、その子にあったサポートをしていく必要があるのでは。座談会のお話を聞きながら、私はそんなことを考えました。
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