【コラム】ニコニコ動画を説明できるのか?という池上彰さんの問いかけ

スタッフコラム

実は今、某サービスの使い方を解説する本を制作してます。こういった類いの本はこれまで何度も作ってきましたが、だからといってスラスラ書けるものではありません。

「どういう人が読むのかな」「その人はどういうシーンで使いたいのかな」「どう言えばわかるのかな」と読者対象を想像しつつ、少しでもわかりやすくと心がけてはいるのですが……。

説明上手と言えば、池上彰さん。先日、同氏の「考える力がつく本」を購入しました。そのなかの「田舎のおばあちゃんにニコニコ動画を説明できるか」というところで、こんなことを書かれていました。

全体像がわかっていないのに、わかりやすく説明しようと情報を端折ると、おかしな偏りが出てしまったり、そもそも全体像を捉え間違ってしまったりすることになります。

では、深く勉強してその分野に精通すると、なぜ急にわかりやすい説明ができるようになるのか。それは、どこをそぎ落としていいのかが正確にわかるからです。

「考える力がつく本」(池上彰)

そうなんです。相手が解るように説明するのって、とっても難しい。ちゃんとやろうとすると、どうしても説明が長くなってしまう。しかし、紙の印刷物はスペースが限られているから、シンプルに書かないと紙面が足りない。となると、どこをどう端折ればいいか。どうまとめればわかりやすくなるのか。

安易に削ってしまうと、全体像が崩れる。だから、削るべき場所を精査し、わかりやすさを優先して作っていかなければならない。そのためには、細かいところまで含め、しっかり全体像を理解しておかなければならない……。

そんな訳で、紙の書籍を制作するのって、とーーーっても、難しいんです。その分、やり甲斐があるとも言いますが。池上彰さんを見倣って、さらに精進しなければ。

井上 真花(いのうえみか)

井上 真花(いのうえみか)

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。

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