先日、「ダイアモンドオンライン」でこんな記事を読みました。
■本当に優秀な人は「考える力」よりも「見る力」で差をつけている
そこには、次のような記述がありました。
「思考力」だけで帳尻を合わせられる時代が終わろうとしているいま、真っ先に磨くべきは、「思考“以前”の力=知覚力」なのだ。
https://diamond.jp/articles/-/251278
ここでいう「知覚力」とは「どこに眼を向けて何を感じるのか」「感じ取った事実をどう解釈するのか」ということで、「思考」とは「問題解決や意思決定をする」こと。
つまり「なにかを解決したり決めたりする前に、しっかり見て、感じよう」ということですね。考えてみれば、当たり前のこと。現状を正確に把握しないまま問題解決しようとしても、うまくいくはずがありません。
ところが、最近はこの「しっかり見て、感じよう」とする能力が低下しているとのこと。冒頭の記事のなかで紹介されている「知覚を磨くー絵画を観察するように世界を見る技法」という本によると、その一端を担っているのが「パソコンやスマホによる検索という行為」。
インターネットにある膨大な情報の中から「自分に必要な情報だけを選り分けて素早く読み取る」という行為が日常になっている今、私たちの目は「捜し物を見つけるために見ている」あるいは「何かを期待しながら見ている」ようになった。その結果、「純粋によく見る」ことができなくなった、とのことです。……うーむ、身に覚えがありすぎる。
実際に体験してみましょう。次の動画(1分20秒)をご覧ください。
この動画では、黒いシャツと白いシャツを着たチームがそれぞれバスケットボールを持って、狭い場所で入り乱れながら自分のチームメイトにパスしていきます。白いユニフォームのチームが何回パスをするか、数えてください。
これは「人が注意を払える対象は限られている。あるものに注意を払うと、ほかのものが見えなくなる」ということがよくわかる有名な実験。白いユニフォームのチームがパスする回数を熱心に数えている限り、「ある異変」が起きていることに気づきにくいそうです。
この程度の異変なら、さほど問題にはなりません。ですが、別のシーンでは深刻なリスクを引き起こすことになるかもしれません。
では「純粋によく見る」ことができるようになるには、どうすればいいでしょうか。
本書で紹介されているのは「絵をじっくり見る」という方法。それも「一枚の絵を15分間かけて観察する」といいのだそうです。たった15分と思うかもしれませんが、やってみると結構長いですよ。
もし「純粋に見る」という能力にご興味ありましたら、読んでみてはいかがでしょうか。
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