腕利きの編集者&ライターである堀井塚さんが、間違った日本語を指摘しつつ、正しい使い方を解説する「重箱の隅」シリーズ。ここに掲載されているのは、実際に堀井塚さんが編集した原稿の中にあった例だそうです。恥ずかしながら、私も同じような使い方をしていた覚えが……。
それでは、今回も選りすぐりの5例をご紹介しましょう! (井上真花)
(1) 削るものが違う ( ・´ω・`)
「凌ぎを削る」って、ヤクザが縄張り争いしてんのかよ。それを言うなら「鎬(しのぎ)を削る」で、日本刀がぶつかり合うときの描写。「鎬」は刃物の側面の膨らんだ部分のことね。
(2) 意味を調べてから書け (´・д・`)
バッテリーの爆発事故を起こしたスマホメーカーが新モデルを出すてんで「乾坤一擲のモデルとして力を入れている」って。「乾坤一擲」は、運を天に任せて伸るか反るかの大勝負をすること。そのメーカーは勝負に出たわけじゃあないんだから、言葉の使い方を間違えてる。一度敗れたり失敗したりした者が再び勢いを盛り返して巻き返すことのたとえなら「捲土重来」って言葉がある。
(3) 社交辞令以前の問題 (´・∀・`)
「社交辞令かもしれないけど若く言われるんだよね」って「若いと言われる」か「若く見られる」か、どっちかだと思うんだ。混ぜちゃ駄目だ。
(4) できるものなら (´・ _ ・`)
「事前に心配していた」って言ってるんだけど、事後に心配できるならやってみろと言いたい。
(5) 集団強盗みたいに聞こえるんだよね (`Д´)
某誌の相続特集。遺産の「取り分」だの「分け前」だのって言ってるんだけど、そういう言い方は不謹慎な感じがして好きになれん。
次回もつつきまくるよっ
(`・ω・´)ゞ
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