【PickUP!】「サラタメ、???に転職します」から考えるイマドキの転職事情

レビュー&コラム

私がインターネットで見つけた情報をシェアするコーナー「PickUP!」。今回ご紹介するのは、YouTubeの登録者数58.8万人という超人気チャンネル「サラタメさん」が5月16日に公開した動画です。

「サラタメさん」は、サラリーマンのためになりそうな書籍やニュースを図解つきでわかりやすく解説するチャンネル。私も大ファンで、4月発売の日経パソコン特1「学び大全」でも紹介させていただきました。

番組冒頭では、いつも「ブラック企業から倍率100倍のホワイト企業に転職を成功させてぬくぬくサラリーマンYoutuberしてる」と言う決め台詞を言っているサラタメさんですが、このたびなんと転職されたそうで。その転職先が、あの「新R25」だそうで。しかも、正社員じゃなく「業務委託社員」だそうで。

倍率100倍のホワイト企業を辞めることに決めた理由については、以前、別動画で「この業界、今はいいけど数年先がやばいということがわかった。今年中に転職する」と話されていたので、まあ、そういうことだとは思いますが。

それにしても、安定志向が強い(ように見える)サラタメさんが、業務委託社員を選ぶのは意外でした。業務委託社員になるということは、つまり個人事業主として企業と契約を交わすということ。一見、正社員より不安定な立場のように見えます。

とはいえ、今は常に変化にさらされ続けている時代。個人的には「正社員でいれば安定」という考えのままでいるほうが危険なのではないかと考えています。足元がぐらつきそうだと感じたら、素早く別の場所に移動する。そんな柔軟な考え方を持っていた方が安定するのではないかと。ちょっと逆説っぽく聞こえてしまうかもしれませんが。

サラタメさんの場合、転職方法も画期的でした。最初は本名で転職活動されていたようですが、あるとき「まてよ、本名よりサラタメという名前のほうが有利なのでは?」と気づき、サラタメさんアカウントのTwitterで転職の募集をかけたとのこと。そうすると、わずか1ヶ月で10社から応募があったそうです!

このことからわかるのは、セルフプロデュースの重要性です。YouTubeで人気チャンネルを作るのは簡単なことではないけれど、それをやったからこそ、サラタメさんは希望する職業に転職することができました。

考えてみれば、私もン10年前に「モバイル端末が大好きなんです!」とネット(当時はNIFTY-Serveでしたが)で発信したことが、今の仕事を始めるきっかけとなりました。そのときは「そういう仕事に就きたい」と思っていたわけではありませんが、結果的にそうなったということで。

「今後、こういう業界で仕事がしたい!」という希望がある人は、まずネットで発信することから始めていくのもありなんじゃないかと思った次第です。

井上 真花(いのうえみか)

井上 真花(いのうえみか)

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。

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