私がインターネットで見つけた情報をシェアするコーナー「PickUP!」。今回ご紹介するのは、以前この記事で取り上げた「しんぱち。」さんのnote記事です。
自宅で一人で20年働くフリーランス・デザイナーが実践している習慣術
以前の記事では「仕事前に運動するといいらしいよ」という情報元として紹介しましたが、今回は「習慣を身につける」というお話です。
井上新八さんは、売れっ子のブックデザイナー。膨大な量の仕事をこなすことで有名ですが、その秘密は日々の生活の中で続けている習慣にあるといいます。そのことを取材した記事がこちら。
一人で年間200冊! ブックデザイナー井上新八の過密をきわめる鬼ルーティン24時間
読んでみたところ、本当に鬼ルーティンでした。こんなルーティンこなすなんてどんなすごい人だろうと思いますが、彼は、いわゆる大谷翔平のような「意志が強く、必ず目的を達成する」人ではなさそう。どちらかといえば「自分の生活にあわせて無理のない範囲でやりたいことを習慣化していく」ことに長けている人のように見えます。
井上さんいわく「習慣を身につけるには、いくつかのコツがある」とのこと。そのコツをまとめたのがこちら。
- 小さなことから始める
- 小さなことをセットにする
- 順番と場所を決める
- 徐々にルーティーン化していく
- さわりだけやってみる
- 朝に時間を作る
- 週1なら曜日を決める
- 続けることは武器になると考える
それぞれの詳細についてはリンク先の記事を読んでいただきたいのですが、今回、とくに考えていきたいのは、1〜3の流れです。井上さんのルーティンを見ていると、まず1をまとめて2を作り、それが自然とやれるように3を決めます。そしてそれを日々繰り返していく(4)と、いつの間にか習慣になるとのこと。
たとえば井上さんの場合、朝1番のルーティンは「朝起きる→外に出て朝日の写真をスマホで撮る→体温を測る→日記をつける」ですが、これは「朝起きたら外に出る」というセットを1つ、「外に出たらスマホで写真を撮る」というセットを1つ、「部屋に入ったら体温を測る」というセットが1つ、「体温を測ったら日記を書く」というセットを1つ用意した結果です。いずれも前後の行動とセットになっているので、この一連の動きが自然に実行されます。
それに加え、3の仕掛けである「順番と場所を決める」をやっていきます。たとえば井上さんの場合、「体温を測ったら日記を書く」という行動を促すための仕掛けとして、日記のカバーに体温計を差し込んでおくようにしているとのこと。こうすれば、日記を書こうとするときに自然と体温計が目に入り「測っておこう」ということになるのです。
このように、相互の動きと環境を整えることで、特に意識しなくてもルーティン通りに身体が動くようになるというのが井上さんのいう「コツ」です。ちなみに、彼の朝のルーティンをまとめるとこんな感じ。
- セット1:写真を撮る→ストレッチ→体温を測る→前日の日記を書く→体重測定&筋トレ→朝食
- セット2:SIXPADつけてゲーム→HIITでトレーニング→プロテイン→歯磨き→サプリ
- セット3:ブログを書く→ジョギングする
これを「すごい」と感じるか「これならできそう」と感じるかはその人によると思いますが、私は少なくとも「絵に描いた餅にはならなそう」と感じました。私の場合、どの習慣をなにと組み合わせてセットすればうまく習慣化できるのか考えてみようと思います。
では、なぜ井上さんはこんなに習慣化にこだわるのでしょうか。その答えはこの記事に書かれていました。
「決める」と楽になる。ふだんから自分がやってることって、「決める」ってことなんだなって思った。スティーブ・ジョブズの「黒いタートルネックしか着ない」とか、ひろゆきの「とりあえず一番安いのを買う」「映画を選んでみない」というのも選ぶというストレスから解放される考え方だ。私の場合いちばん大きなマイルールは、「毎日やる」って決めることだと思う。「毎朝のルーティーン」も、「1日1冊本を読む」っていうのもそう。「毎日やる」はストレスを減らすための手段だ。「今日はやる日だっけ?」って考えるのが面倒だし、「忙しいのに今日はやる日か」って思うのはストレスだ。それだったらいっそ「毎日やる」って決めた方がストレスを感じない。
そういえば、以前読んだ「選択の科学」という本に「選択肢が増えると幸福感が下がるのが人間」と書かれていました。
考えたり判断したりしなければならないことはたくさんあるけれど、考えなくてもいいこともたくさんあります。井上さんのように考えなくてもいいことを習慣化してしまえば、ストレスが軽減されて楽になれるのかもしれませんね。
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