伊勢観光レポートの第二弾は「豊受⼤神宮(外宮)」(三重県伊勢市豊川町279)です。
外宮の祭神は「豊受大御神」。天照大神の食事を司る神様で衣食住、産業の守り神としても知られています(出典:https://www.isejingu.or.jp/about/geku/)。
外宮には、正宮に次ぐお宮として「多賀宮」「土宮」「風宮」「⽉夜⾒宮」という別宮があります。
多賀宮のご祭神は「豊受大御神荒御魂」。その名の通り、豊受大御神の荒御魂(あらみたま)を祀っています。ちなみに、神様の御魂のおだやかな働きを表す表現として「和御魂(にぎみたま)」と言葉が使われますが、それに対して荒々しく神威をあらわされる御魂の働きは「荒御魂」という言葉で表現されます。
御魂の働きを「和御魂」と「荒御魂」とを分けて、それぞれお宮を建ててお参りするという考え方、ぼくはとてもおもしろいと感じました。穏やかなときも、荒々しいときも、どちらも神様ですし、御魂の表れでもあるので、両方とも大切だということなんだと思います。
土宮のご祭神は「大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)」。「大年神」と「天知迦流美豆比売神(あまちかるみづひめ)」との御子神で、土地の神としても知られています。この土宮は、別宮で唯一東を向いています。その理由については、以前から色々と議論がされていますが、まだ結論は出ていないようです。なんにしても、古くからの形が残っているというのは間違いありません。
風宮のご祭神は「級長津彦命(しなつひこのみこと)」と「級長戸辺命(しなとべのみこと)」。内宮別宮の風日祈宮のご祭神と同じです。蒙古襲来の際、「神風」により国難が救われたという話は有名ですが、その神風を吹かせた神がご祭神となっています。
もともと雨風の神として農作物が順調に生育するように祈りが捧げられるお社でしたが、元冠以降、国家の平安を守るといった信仰が加わっていったとのこと。
⽉夜⾒宮は、外宮から少し離れた場所にある別宮で、ご祭神は「月夜見尊(つきよみのみこと)」と「月夜見尊荒御魂(つきよみのみことあらみたま)」。伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)の御子神で、天照大神の弟である月夜見尊の和御魂、荒御魂を1つの社殿に祀っています。
ちなみに、神宮の参拝は「外宮」から「内宮」の順でお参りするのがならわしだそうです。というのも、豊受大御神は、天照大神の食事を司る神(御饌都神:みけつかみ)なので、内宮の祭儀に先だってお食事を奉る「外宮先祭」というならわしがあるため。
次回は内宮について紹介します。
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