トーハクで知られる東京国立博物館で特別展「ポンペイ」(https://pompeii2022.jp/)に行ってきました。
ポンペイとは、ローマ帝国にあった都市の名前。紀元後79年にヴェスヴィオ山が噴火し、火山噴出物に飲み込まれ、埋没した都市として知られています。
現在、発掘が進んでおり、当時の暮らしぶりなども明らかになってきました。特別展「ポンペイ」では、そのポンペイで発掘された壁画や彫像、工芸品などが展示されています。
この特別展では、ポンペイで暮らした人たちの暮らしぶりが分かる出土品が多く展示されています。裕福な市民の家から発掘された壺やガラス製の杯などは、とても繊細な装飾が施されており、目を惹きます。
壁や床などを彩っていたモザイク画には、猫やカモといった動物をモチーフにしたものもありました。とくにユニークなのは、「猛犬注意(CAVE CANEM)」と銘打った犬のモザイク画。悪者を脅かす目的で飾られていたとのことです。現代風にすると「警察官立寄所」や警備会社のステッカーや「防犯カメラ」表示プレートみたいなものですかね。2000年前も今も、同じようなことをしています。
実用品や日用品なども多く展示されています。ランプや湯沸かし器、バケツなどの実用品は、ちょっとした装飾はあるものの、実用的な作りになっていました。とくに湯沸かし器は、無骨な感じがオシャレな薪ストーブのようで、ちょっと欲しくなったほど。冬のキャンプで活躍しそうです。
あとは、外科器具入れやコンパス、下げ振り、金槌、熊手などの仕事道具も展示されていました。形状を見る限り、今使われている道具と大きくは変わっていません。技術職の人も、これらの道具を使って、今と同じようにものづくりをしたり、農作業をしたりしていたんだと思います。
2000年前というと、日本では縄文時代から弥生時代に移り変わっている時期。その頃、ローマでここまで高度な都市が発展していたんだと思うと、改めて当時の日本とローマの違いを感じます。
これまで僕はポンペイに対し、災害から逃げ切れず、多くの人が亡くなったというネガティブなイメージしかありませんでした。しかし今回、特別展「ポンペイ」に行ったことで、当時、生き生き生活していた人たちがいたということを実感し、かなりポンペイのイメージが変わりました。機会があれば、現地で見てみたいものです。
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