【週刊ポッドキャスト生活】#15 国際ポッドキャストデーから生まれた日本ポッドキャスト協会

月刊ポッドキャスト生活

みなさんは、国際的なポッドキャストの記念日があるということをご存知でしょうか?

ポッドキャスト誕生10周年となる2014年、アメリカでポッドキャストを祝うイベントが開催されました。全米のポッドキャスターがストリーミングで交流するイベントでしたが、ちょうどアメリカでポッドキャストブームの再燃を迎えた時期と重なったため大盛況となり、翌年の2015年には「International Podcast Day」と名称を変更し、世界中のポッドキャスターに呼びかけるイベントとなりました。

この日のことを、日本では「国際ポッドキャストデー」や「ポッドキャストの日」と呼んでいます。

「International Podcast Day」に日本から参加

「国際ポッドキャストデー」は9月30日と定められていますが、ポッドキャスト自体、どこか決まったサービスが開始したものではないため、厳密に言うと9月30日にサービスが始まったわけではありません。音声配信の仕組みをコミュニティ内で「ポッドキャスト」と呼び出したのが2004年9月頃だったということから、最終日である9月30日を記念日にしたとのことです。

この日は、ポッドキャストの誕生を祝うために世界中のポッドキャスターがそれぞれの方法でイベントを実施したり、ブログやポッドキャストで取り上げたりします。そして9月30日前後には、世界中で関連イベントが実施されます。

2014年に初めてストリーミング配信を行なったことから、公式サイトでは、世界中のポッドキャスターを1時間ごとのリレー形式で繋いで配信しました。その年はアメリカのみ6時間の配信でしたが、年々参加国と配信時間が増え、2019年には20弱の国から計30時間のストリーミング配信を実現した大規模なお祭りとなりました。

そして「International Podcast Day」として6回目となる2020年には、初めて日本からの参加が実現しました。

2020年のイベントにはポッドキャストの仕組みを作ったアダム・カリー氏も参加し、記念すべき年となりました。しかし公式サイトから「長時間のストリーミング配信は最後にするが、9月30日には引き続きそれぞれの方法でポッドキャストの誕生を祝って欲しい」と発表があり、最後のリレー配信となってしまいました。

日本で続く国際ポッドキャストデーのイベント

日本から公式の配信に参加したのは2020年ですが、それまでも9月30日の国際ポッドキャストデーに合わせてイベントを開催したり、ブログ、ポッドキャストなどで話題に取り上げたりするポッドキャスターは存在していました。

2020年、私ことポトフは公式の配信に参加し、同じ年に1人で24時間配信をするイベントを行いました。総勢20名のポッドキャスターやリスナーをゲストに迎えて配信し、1000人を超える視聴者を記録。その後、公式の配信に出演したため、どの国よりも盛り上がりました。

その翌年以降、公式サイトでの配信は行われませんでしたが、日本では独自にライブ配信イベントなどを行いました。

2021年の国際ポッドキャストデー以降、月に1回ポッドキャスターを迎えてライブ配信とポッドキャスト配信を行う「ツキイチ 隣のポッドキャスト」という企画が開始され、2021年9月30日にはグランドフィナーレとして過去の出演者を迎えての集大成の配信が行われました。

日本ポッドキャスト協会の誕生

私も2021年9月30日に再び24時間配信にチャレンジし、トクマスタケシさんというポッドキャスターとゲストを迎えながら配信しました。トクマスタケシさんとは「ツキイチ 隣のポッドキャスト」と同様、2020年の国際ポッドキャストデーの後に月1回のライブ配信を行なっていました。毎月30日前後に配信を行い、9月30日に24時間配信を行いました。

これらのやりとりをきっかけに視聴者から要望が出てきたのが、「日本ポッドキャスト協会」という構想です。

https://podcasting.jp/

ポッドキャストは、YouTubeのような動画配信サービスやVoicy、Stand.fmのような音声の独立系サービスのように特定の運営主体がなく、ポッドキャスト番組によって配信元がバラバラです。配信環境も配信方法も番組によって違うため、特定のサービスから生まれる統一した雰囲気などもありません。自由である反面、横のつながりが見えにくいところもあります。

普段は番組ごとに独立して運営していても、たまに連携したり、助けあったりするような横のつながりがあった方が良いのではないか。企業主体ではなく、ポッドキャスト配信者であるポッドキャスター主体で、横のつながりを意識して協力しあえる仕組みがあった方がいいのではないか。こういったユーザーの声から生まれた組織が「日本ポッドキャスト協会」です。

日本ポッドキャスト協会はポッドキャスター主体で生まれた組織で、運営もポッドキャスターのみで行っています。今後どうしていくかということも、ポッドキャスター同士で話し合って進めていく任意団体です。

この連載記事も、日本ポッドキャスト協会として、ポッドキャストの知名度アップや情報共有を目的に行なっています。

日本ポッドキャスト協会では協会員の募集を始めています。会費などは不要で、条件や資格などもありません。ポッドキャスターや、将来配信したい人、配信はしないリスナーという方どなたでも参加できます。ポッドキャストの興味のある方は、お気軽にご参加ください。

【チームマイカ】佐藤新一(ポトフ) 

【チームマイカ】佐藤新一(ポトフ) 

佐藤 新一 2005年から配信する古参ポッドキャスター 。
Whizzo Production(http://whizzo.jp/)代表。広告代理店の営業や企画制作会社のWEBディレクターを経て独立。WEB制作・ポッドキャスト制作やライター業などを行う。 座右の銘は「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクション」。

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