2021年4月、Facebook(現:Meta)はオーディオへの取り組みを発表しました。ポッドキャストをFacebook内で聴けるようにするとし、同年6月から米国より対応を進めていました。
2021年10月には日本でもFacebookページでポッドキャストを登録できるようになりましたが、その画面は管理者にしか表示されず、日本でのサービス開始が待たれていました。ところが、日本でのサービス開始が始まる前に、ポッドキャストの対応を終了するという発表がありました。今回は、その詳細について解説します。
Facebookにポッドキャストを追加
昨年Facebookが「オーディオ」に取り組むことを発表したのは、当時、オーディオコンテンツへの人気の高まりが見られたからでしょう。米国では、次のような機能がスタートしました。
- Facebookアプリ内で音声コンテンツを作成できる「Sound Studio(サウンドスタジオ)」
- 長いオーディオから短い音声クリップを作成して投稿する「Soundbites(サウンドバイト)」
- Facebookアプリ内でポッドキャストを聴くことができる「Podcasts(ポッドキャスト)」
- Facebookアプリ内での音声SNS「Live Audio Rooms(ライブ オーディオ ルーム)」。
それから半年後の日本では、自分が管理するFacebookページに「ポッドキャスト」というメニューが表示され、自分のポッドキャストを追加できるようになりました。
ただし、追加したポッドキャストは管理者にしか表示されず、プレビュー画面ではメニューに表示されません。追加したポッドキャストが表示されるようになるのを待っている状態でした。
わずか1年で終了したオーディオへの取り組み
ポッドキャストの表示がなかなか対応されず、長引いているなと思っていたところ、突然、オーディオへの取り組みの終了が報じられました。
https://au.news.yahoo.com/facebook-shutting-down-podcast-discontinuing-173001341.html
このリリースによると、「Audio hub(オーディオハブ)」という名称でのサービスに含まれたSoundbitesやPodcastsなどは終了し、Live Audio RoomsはFacebook Liveに統合するという形でオーディオへの取り組みを終了していくようです。
Facebookページの「ポッドキャスト」メニューにも、終了の告知が表示されました。
ポッドキャストの機能が始まる前にスタートから約1年で終了してしまい、ポッドキャスト配信者としては残念です。
Facebookは2021年10月に社名を「Meta(メタ・プラットフォームズ)」に変更し、メタバースの開発に事業をシフトしています。サービスを継続するFacebook内もショート動画に注力し、TikTokなどへの対抗を強めていくようです。
ニュースレターサービス「Substack」がポッドキャストを強化
一方、ポッドキャスト機能を強化したサービスもあります。誰でも簡単にニュースレターを発行し、決済機能もあり、有料サブスクリプションなども作成できる「Substack(サブスタック)」です。
同サービスでは、これまでもテキストのニュースレターと共に音声のポッドキャストの配信も可能でした。海外ではニュースレターのサービスも伸びており、ポッドキャストを備えている注目のサービスです。
Substackのポッドキャスト機能は、有料サブスクリプションにも対応しており、課金ユーザーのみが聴取できる配信なども可能。エピソードごとに無料配信とサブスクユーザー向けの配信と織り交ぜての配信もできるなど高機能です。
そのSubstackのiOSアプリで、ポッドキャストを聴く機能がアップデートされました。Substackで配信されるポッドキャストを聴きながら、他のニュースレターを読むこともできます。
https://on.substack.com/p/podcast-player-and-leaderboards?s=r
Substackでポッドキャストとして配信された記事は記事内でも再生できますが、プレイヤーを立ち上げて再生をコントロールすることもできます。他のニュースレターの記事に移動してもプレイヤーは再生し続けるので、音声を聴きながら他の記事も読むことができるようになっています。
Substackでは、ニュースレターを書くライターがポッドキャストを活用することを推奨し、今後もポッドキャスト機能を強化することを発表しています。
大手のサービスとは違い、独自の路線をいくSubstackのポッドキャストの取り組みは今後も注目です。
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