【#0039】 カメラマンが飲食業に転身!目指したのは「大人が楽しめる海の家」。

1000人に会いたい PJ

寺尾豊さん(以下、寺尾)とは、ぐんまーソングライターyoshimiさんをインタビューするときに初めてお会いしました。そのときの彼の肩書きはカメラマン。モデルに話しかけながら、とても自然な表情を引き出して撮影されていました。その後、Facebookで彼の投稿を見ていると、突然「渋谷に店を出した」というお知らせが。カメラのお店かと思いきや、なんと飲食店でした。この大きな方向転換にとても興味をそそられてしまい、直接お会いしてお話を伺うことにしました。


井上 寺尾さんに以前お会いした時は、カメラマンでしたよね。

寺尾 そうでしたね。でも実はずっとカメラマンだったわけではなく、もともとは編集部の副編集長として雑誌の記事を作っていたんですよ。

井上 そうだったんですか。だから文章がとてもお上手なんですね。いつも投稿を読んでいて感心していました。

寺尾 大学では画像工学を学んでいたので、編集部在籍時から撮影も担当していました。その後、同じ出版社の映像部門へ異動し、写真や動画の撮影に専念することになったんです。

井上 では、私はその頃、寺尾さんとお会いしたんですね。だから私のなかで寺尾さんはカメラマンという認識だったのですが、なぜそこから飲食業に?

寺尾 2009年に出版社を辞めて、個人で写真撮影や動画制作を請け負っていたのですが、そのときに飲食業界の方々との交流が深まり、飲食業に興味を持つようになりました。グルメライターとして取材を始めたのですが、業界を外側から見るだけだとわからないこともある。どうせだったら内側からも見てみたいと思い、お店を持ってみようという気持ちになったんです。

井上 なるほど。傍目からは全く無関係な世界に飛び込まれたように見えますが、寺尾さんのなかでは全部つながっているんですね。

寺尾 店を出そうと思ったのが2019年。それから1年かけて「カフェテラオ」の準備を進めました。目指したのは「大人が楽しめる海の家」。具体的には、所ジョージさんの世田谷ベースみたいなイメージです。海の家って楽しいけど、あまり食べ物が美味しいイメージ、ないでしょ? ぼくは食べ物が美味しくて音楽が楽しめる海の家を作りたかったんです。

ところが店を出す場所を決め、準備を進めているうちに、運が悪いことに新型コロナウイルスの感染が拡大し始めて、行政が外食の自粛を呼びかけるようになりました。「飲食店は辞めた方がいいかな」という考えが頭をかすめたこともありましたが、せっかくここまでやったのだからという想いで2020年8月に開店。ちょうど緊急事態宣言が出されていた時期でした。酒類の提供はNGというお店にとっては過酷な要請を受け入れ、イベントなども行わず粛々とお店を続けてきましたが、正直言うとかなり辛かったです。

井上 それはお気の毒です。確かにこの時期、飲食店を運営されている方はみなさん、とても大変な思いをされていますね。

寺尾 はい、みなさんご苦労されていると思います。しかし、なかには宣言中も夜中まで店を開け、酒類を提供しているお店もありました。お店でお酒を飲みたいと思われる方は多く、そんなお客様から「なぜこの店は酒を出さないのか」と言われ、とても心苦しく感じていました。それでも要請を受け入れたのは、早くコロナ禍が終わり、誰もが楽しく外食を楽しめる世界になってほしいと願ったから。実際、経営者としてこの判断が正しかったのかどうかはわかりませんが、間違ってはいなかったと思います。

井上 いまは宣言が解除され、酒類が提供できるようになりました。最近は音楽イベントも開催されているようですが。

寺尾 はい、私はジャズが好きなので、ジャズが楽しめるお店にしたいと思い、さまざまな音楽イベントを開催しています。お店の常連さんの中にはプロのジャズプレイヤーの方もいまして、普通の営業日でもハプニング的に演奏が始まることがあり、ジャズ好きのお客様には喜ばれています。そういうときは、たまに私も一緒に演奏したりするんですよ。

プレイヤーと一緒に演奏する寺尾さん。ときに美声を披露することも

寺尾 お料理を出すときもいろいろ工夫しています。本日、井上さんにお出しした「ストラトサラダ」は、フェンダー製のカッティングボードをお皿として使ったもの。ほかにテレキャスも用意していて、お客様がどちらかを選ぶこともできるんですよ。

井上 はい、そうでしたね。とてもおもしろくて、思わず撮影してしまいました。そういう遊び心がある店、いいなあ。

ストラトサラダ
テレキャスラムラック

寺尾 私はワインが好きなので、お店には美味しいワインや珍しいワインが揃っています。音楽だけでなく、お食事やお酒も楽しめる「海の家」を目指しているので、気になった方はぜひ遊びにきてください。

井上 ラムラックがとても美味しかったので、また食べさせてください。寺尾さんの演奏も聴いてみたい。今度は夜にお邪魔しますので、そのときはよろしくお願いします!

カフェテラオ
住所:東京都渋谷区東2-26-16 HANAビル 1F
電話:03-5962-7722

井上 真花(いのうえみか)

井上 真花(いのうえみか)

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。

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