ニッポン放送は、関東広域圏を対象にAMラジオ放送を提供している放送事業者ですが、「JAPAN PODCAST AWARDS」の開催や「poddog」というポッドキャストアプリのリリースなど、この数年はポッドキャストにも力を入れ始めています。
長寿ラジオ番組「オールナイトニッポン」は、ポッドキャスト配信者にもファンが多く、参考にしている番組も多いのではないでしょうか。「オールナイトニッポン」の一部番組はポッドキャスト配信もされていますが、2021年10月には「オールナイトニッポンPODCAST」という新ブランドが誕生し、「ニッポン放送 PODCAST STATION」にて配信されています。
「ニッポン放送 PODCAST STATION」は、ポッドキャストによるラジオ番組配信サービスのポータルサイト。数多い番組を擁しています。Apple Podcastsにも「チャンネル」を作成して64番組を公開していますが、「ニッポン放送 PODCAST STATION」では200番組以上が配信されています。
ニッポン放送の一部コンテンツがSpotifyで独占配信
5月30日から、「オールナイトニッポン」のうち6番組がSpotifyでの独占配信になるというニュースがありました。対象となる6番組は、「ニッポン放送 PODCAST STATION」やポッドキャストアプリ「poddog」でも聴けなくなるのではないかと思います。
対象となる6番組はこちら。
Spotify独占配信番組
- 『ナインティナインのオールナイトニッポン』
- 『霜降り明星のオールナイトニッポン』
- 『フワちゃんのオールナイトニッポン0(ZERO)』
- 『ぺこぱのオールナイトニッポン0(ZERO)』
- 『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』
- 『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0(ZERO)』
注目なのは、今回初めてポッドキャスト配信となる『ナインティナインのオールナイトニッポン』でしょう。2022年4月以降の放送回がSpotifyで後からでも聴けるようになるということです。その他の番組は、番組開始時からのアーカイブが聞けるとのこと。
前回紹介した、Apple Podcastsのオープンな戦略と対照的に、ニッポン放送とタッグを組んで人気コンテンツをSpotify独占配信とすることでクローズな戦略を強めていくようです。
増える独占配信のメリット
独占配信は、リスナーにとっては不便な部分もあります。しかしSpotifyにとっては、番組を聴くためにアプリをダウンロードするユーザーが増えるというメリットがあります。Spotifyとしても費用をかけてオリジナル番組を作費することができるため、魅力的なオリジナルコンテンツが生まれる可能性があります。
#22で紹介した、DCコミックのバットマンのポッドキャストなどが良い例です。オリジナルのストーリーのポッドキャストですが、日本も含めて9カ国語で提供されています。日本向けに脚本を作成し、俳優の大谷亮平や中島美嘉など、話題性のあるキャストで公開されています。
全10話となっており、ストーリーは終盤に向かっていますが、これまで映画などで公開されたストーリーとは全く違い、なかなか聴き応えのあるコンテンツになっています。
DCコミックを原作とし、世界各国で配信されているAudible独占配信のポッドキャスト「The Sandman (Japanese Edition)」は、日本語でも提供されています。成人向けの内容で、ダークで暴力的な表現もありますが、米国などでは続編も作られている人気のオーディオコンテンツです。日本での反響はどうなのでしょうか。
これらも独占配信だからこそ、制作されたコンテンツです。視聴する環境は限られますが、魅力的なオーディオコンテンツが作成されるのであれば良いのかもしれません。
「オールナイトニッポン」の独占配信化も、それによってポッドキャスト配信が続けられるのであれば、コストの増加によって配信されなくなることが避けられるのであれば良いのかもしれません。
動画配信サービス同様に独占配信が進んでいますが、皆さんはどう思いますか?
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