小中学生の放課後の居場所を作る「NAZELAB」という試み

スタッフコラム

埼玉県・秩父にある横瀬町には「NAZELAB(なぜらぼ)図書館」という施設があります。7月16日に開かれた内覧会に参加することができたので、少しだけそのレポートをお届けします。

「NAZELAB図書館」は、一般社団法人タテノイトが日本財団の助成を受け、小中学生の「放課後の居場所」として運営している施設。運営の方のお話によると、ここが世代を超えた出会いの場となり、より幅広い経験が生まれることを期待されているとのこと。

仕事のストレスを抱えた社会人は、家庭や職場以外に「サードプレイス」が必要、という話をよく聞きます。それと同様に、子どもたちにも家庭や学校以外のサードプレイスが必要なのではないでしょうか。

この場所では、さまざまなイベントも開催されています。たとえば1月には、「電子顕微鏡で『見えない世界』を見てみよう」という企画が行われました。そのときは、顕微鏡を使って硬貨や紙幣に隠されたマイクロ文字を見たり、参加者達の髪の毛の表面のキューティクルを見比べたり、鳥の羽やマスクや虫などを観察したりしたとのことでした。こういったイベントを通して、世代を超えた出会いや体験を促しているんですね。

では、建物の中に入ってみましょう。一階の壁はすべてガラスになっており、部屋全体に明るい日差しが差し込んでいます。フロア全体に椅子やテーブルが置かれていて、奥にはスクリーンがあり、プロジェクタを使えば映像を映し出すことができそうです。

中央には大きな階段があり、両脇にさまざまな本が並んでいました。好奇心をそそるタイトルと表紙が楽しくて、階段に座ったまま本を読み出す子どももいるのではないかな、と思いました。

これは階段を上って下のフロアを見下ろした図。二階の壁面にもたくさん本が並んでいます。すべてオープンになっている一階と比較すると、こちらはもう少し落ち着いた雰囲気。しずかにん本を読んだり、考えたりする子は、二階のスペースを好むのかもしれません。

中の様子は、こちらの動画をご覧ください。

個人的には、今後この「NAZOLAB」というプロジェクトが注目され、他の市町村でも同じような試みが広がっていくといいな、と感じました。ここで子ども哲学カフェを開くというのも、面白いかもしれません。提案してみようかな。

井上 真花(いのうえみか)

井上 真花(いのうえみか)

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。

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