第14回目で「ポッドキャストの長さはどのくらいがいい?」という話題を取り上げています。スウェーデンのAcastというサービスが調べたところ、カテゴリによっても違いはありますが、平均すると「38分10秒」という結果が紹介されていました。
ポッドキャストでのキャンペーンを支援するRephonic社が250万件以上のポッドキャストから収集したデータで調査をしたところ、ポッドキャストの長さは年々短くなっている傾向があるようです。最新の動向を見てみましょう。
番組の長さは年々短くなっている?!
ポッドキャストの番組やカテゴリによっても傾向は変わってくると思いますが、Rephonic社がエピソードごとに10,000人を超えるリスナーの数を持つ「トップパフォーマンス」の番組を参照したところ、次のような傾向が見えてきました。
- ポッドキャストの長いエピソードは年々少なくなっている
- 平均して最もパフォーマンスの高いポッドキャストは、 5 日ごとに37 分のエピソードをリリースしている
- 歴史カテゴリのポッドキャストは、エピソードの配信頻度が最も長い
- フィクションのポッドキャストは、多くの視聴者を引き付けるために、より長いエピソードを配信する
1配信者としての感覚ですが、日本の場合は15分〜20分くらいのものが好まれるところがあるように感じました。しかし海外のポッドキャストは比較的長いものが多く、1時間を超えるものも多い印象でした。前出の平均すると「38分10秒」というのも納得できます。
ところが、最近は世界的にも長いエピソードが減少傾向にあるようです。Rephonic社が過去9年間を調べたところ、60分以上のエピソードは2013年には全エピソードの20%以上を占めていたのですが、年々減少して2021年には17%未満まで減っているとのことでした。
これは、長い番組がどんどん短くしていったというよりも、スマートスピーカーが登場してから、数分のエピソードを高頻度で配信するニュース番組が増えたことが影響しているのかもしれません。
エピソードあたり 10,000 人以上のリスナーを持つポッドキャストで調べると、平均のエピソードの長さは37分となります。
エピソードの長さと共に気になる配信頻度については、ポッドキャストのカテゴリによって傾向の違いがあることがわかりました。「ニュース」カテゴリでは平均で3日に1回の配信ですが、「歴史」カテゴリでは9日に1回という状況です。
短ければ良いというものではない
傾向としてエピソードは短くなっているようであれば、自分の番組も短くしていったほうが良いのでしょうか。しかし、そこまで単純な話ではないようです。
Rephonic社の調べでは、カテゴリによって傾向が違うようで、「フィクション」などで視聴者を惹きつける内容にするには、ある程度の長さが必要のとのこと。
「フィクション」カテゴリにおける、エピソードの平均の長さは30 分になっていますが、リスナー数が 10,000 人を超えるポッドキャストでは52 分となっているようで、長い番組の方が人気を得ているという結果になりました。
一方、「レジャー」カテゴリでは、平均の長さは46分ですが、10,000 人を超えるポッドキャストの平均は36分と、短い番組の方がより人気を得ています。
人気の番組が平均よりも長いものとしては、「フィクション」以外に、「健康/フィットネス」「キッズ/ファミリー」「テクノロジー」「アート」「歴史」「音楽」などがあり、一概には言えないようです。
ゲスト収録って有効?
Rephonic社の調べで、もう1つ面白いレポートがありました。
番組の通常のメンバーに加えて、専門家や他のポッドキャスト配信者をゲストとして招くことがあります。250万以上の番組で、ゲストを迎えたエピソードを通常回と比較したところ、次のような傾向があるようです。
- ゲスト回は通常よりエピソードが長くなる
- ゲスト回は平均してより多くのリスナーを獲得する
- ゲスト回を配信するとソーシャルメディアでフォロワーを獲得しやすくなる
- カテゴリによってはゲストを迎えるとパフォーマンスが落ちることがある
特にゲストが有効なカテゴリは「天文学」「今日のニュース」「技術ニュース」など、一方、パフォーマンスが落ちるのは人気のトゥルー・クライムなど。「事件/犯罪」「コメディ」「言語学習」などは、ゲストを迎えるとリスナーが少なくなる傾向があるという分析でした。
長さや配信頻度、ゲストを迎えるかどうかなど、1つの答えがあるわけではなさそうです。リスナーの声に耳を傾け、自分の番組での最適解を見つけていく必要があるのではないでしょうか。
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