オフラインでのPC環境を考える

スタッフコラム

岡山出張が決まったので、フェリーに乗って徳島に行きます。いつもはハイエースで仕事する「バンワーク」スタイルですが、フェリーで仕事するスタイルはなんと呼べばいいのでしょうか。「シップワーク」かな?

さて、シップワークにはひとつ大きな問題があります。それは、ネットが使えないと言うこと。陸から離れて移動するのですから、当たり前と言えば当たり前ですが。以前、スターリンクを導入した際、「空が開けている場所であれば、どこにいても電波が入る」と申し上げました。そういった意味では、海の上はまさに理想的ではありますが、さすがにフェリーの甲板にスターリンクのアンテナを立てる行為は少々憚られます。側から見ると、きっと諜報活動かなにか怪しいことをしているように見えると思うんですよね…。

仕事をする上でネットが使えないとなると、なにが問題になるでしょうか。きっとひと昔前なら、パソコンのファイルはほとんどローカルにあるので、あまり問題になっていなかったと思います。しかし今やクラウド時代。パソコン上に並ぶアプリはローカルにあるとはいえ、そのデータはクラウドに保存されているというケースが増えてきています。ネットの存在が影武者のように見えなくなっているため、ユーザー側からはローカル保存とクラウド保存の違いがほとんど意識されません。

ネット環境下で使うのであればそれで構わないのですが、オフライン環境で仕事することになると、この違いはシビアになります。たとえば私がよく使うNotionアプリの場合、オフラインになるとデータが見えなくなってしまいます(ネット接続時にそのページを読み込んでいない場合)。大事なデータがNotionの中にしか保存されていないとなると、とても困ったことになってしまうんです。ちなみに、Notionとよく比較されるCraftはオフラインでも使えます。フェリーで仕事をするのであれば、Craftを使った方が良さそうです。

ネットありきで仕事環境を構築すると、ほとんどがクラウドサービスになってしまいがち。しかし、そうするとネットが使えない状況ではなにもできず、パソコンがただのハコになってしまいそう。クラウドサービスの便利なところはしっかり活用しつつ、ネットがなくてもある程度は作業できる環境を作っていくことが、バンワークをする上での今後の課題になりそうです。

井上 真花(いのうえみか)

井上 真花(いのうえみか)

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。

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