先日、娘から「一緒にごはんを食べよう」と招待されました。娘の家には、食欲旺盛な子どもがふたり。兄と妹が最後の唐揚げを巡って争奪戦を繰り広げる、とても賑やかな食卓でした。
この光景は見覚えがあります。約30年前のわが家の食卓も、こんな雰囲気でした。当時はまだ子どもたちが小さくて、毎日三度の食事を準備するのが大変だったのを思い出します。あの頃は子育てに追われて余裕がなく、なんとか一日を乗り切ることばかり考えていました。
当時を懐かしく思い出すと同時に、義母の食卓にも思いを馳せます。先日、義父が急逝し、義母は突然一人暮らしを始めることになりました。夫婦で数え切れない日々を共有し、ふたりで食卓を囲んでいたのに、突然ひとりぼっちになってしまう。今頃、言葉にできないほどの寂しさを味わっているのではないかと思うと、胸が痛みます。
家族で食卓を囲む風景は、時期によって大きく変わります。人数が増えることもあれば、人数が減ることも。そう思うと、この唐揚げの味がさらに美味しく感じられるのが不思議です。親しい人達と同じ食卓を囲む幸せを、しみじみ感じた日でした。