ずっと気になっていた「BLUE GIANT」という映画がNetflixで配信されていました。まず、この映画の概要をお伝えします。
2013年に石塚真一が「ビッグコミック」(小学館)で連載を開始した、シリーズ累計900万部超のジャズ漫画「BLUE GIANT」。「最大の音量、最高の音質で、本物のジャズを届けたい」というスタッフの想いから、ついに劇場映画化され、山田裕貴、間宮祥太朗、岡山天音など数々の話題作に出演する俳優陣がキャストを務めます。なお、劇中の音楽はピアニストの上原ひろみが担当します。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001580.000000664.html
私はもともと音楽が好きで、ここ数年はジャズもよく聴いています。劇中の音楽を担当する上原ひろみさんは大好きなピアニストだったので、ぜひ見て(聴いて)みたいと思っていました。
実際に見てみると想像以上でした。この映画にはちゃんとストーリーがあり、感極まって涙ぐむようなシーンも多数あります。しかし私は、なにより音楽でした。映画全体が音楽作品のようで、音の洪水に巻き込まれて溺れてしまいそう。ピアノを担当したのは上原ひろみさんで、サックスは馬場智章さん、ドラムは石若駿さん。このメンバーの演奏が聴けるという意味でも、この映画はスペシャルです。
もうひとつ驚いたのは、音楽の映像表現です。光や水滴、粒子を使って演出したイメージが画面いっぱいに映し出され、刻々と形を変え、渦を巻き、飛び散っていく様を見ていたら、目眩がしそうでした。テレビ画面で見ていてもこれだけ圧倒されるのですから、映画館で見たらどうなっていたことか。いや、だからこそ映画館で見るべきでした。
YouTubeに演奏シーンが公開されていたので引用しておきますが、できれば本編の最後に演奏された「FIRST NOTE」を見ていただきたい。演奏している3人の動きがとてもリアルに見えますが、これはモーションキャプチャという技術を使って実際の動きを映像化したからだとか。
つい音楽の話に力が入ってしまいましたが、ストーリーもとてもよかったです。「BLUE GIANT」を見た方が口々に「号泣した」と言っているのを聞き、「感動ものなのか」と思っていましたが、それは私の早合点でした。もちろん心は動きますが、私の場合、感動とはちょっと違っていたかも。前半部分で感情移入してしまったのはピアノ担当の沢辺雪祈くんでした。
沢辺雪祈くんの話は、外伝「ピアノマン」でも読めるそうです。読んだ方によると、こちらも泣けるそう。そっか、雪祈くんは共感覚の人だったのか。
沢辺雪祈は、言葉を覚えるより先に音を覚えた――。
幼い頃、音が「色」に見えた少年は、やがてジャズの魅力に取り憑かれ、運命の仲間たちと出逢う。目指すは日本一のジャズクラブ「ソーブルー」での10代トリオ単独公演!
ただ真っ直ぐに、ただただ真摯にピアノと向き合い続ける青年は、夢の舞台で磨き上げたソロを響かせ、喝采を博すことができるのか!?
大人気コミックのストーリーディレクターが魂を込めて書き下ろすフルボリューム音楽小説!!
漫画でも映画でも描かれなかった『BLUE GIANT』もうひとつの物語。
「BLUE GIANT」を見てみたい方は、NetflixかAmazonプライムでご覧ください。