【コラム】鳥の目、虫の目、魚の目、そして「コウモリの目」

スタッフコラム

以前、こういう記事を書きました。

この3つの目が示しているのは、次の視点です。

「鳥の目」とは、鳥のごとく高い場所から俯瞰して物事を見るということ。「虫の目」とは、虫のごとく目の前のことをしっかり見るということ。 「魚の目」とは、魚のごとく(水の)流れを読む目を持つということ。

https://www.office-mica.com/magazine/entry/2020/04/08/103719/4720/

記事では「3つの目を意識すれば、あらゆることが多角的にとらえられるようになるかもしれない」と書きましたが、先日、秋葉さんからこんな指摘がありました。「最近はコウモリの目も必要らしい」。

コウモリの目という言葉は初耳です。ネットで調べてみたところ、こんな解説が見つかりました。

コウモリは逆さまにぶら下がり通常とは逆の視点で物事を見ています。つまり、相手側の視点で物事を見たり・視点を変えることをさします。

https://shusakuaida.com/point-of-view/

なるほど、なるほど……と思いつつ、ちょっと引っかかりを感じました。「コウモリが逆さまにぶら下がっているから逆の視点を持っている」という部分は納得でしたが、それが「相手側の視点で物事を見る」ということになるのかな、と。

相手がどう見て、どう考えるかを理解するには、よほど相手のことがわかっていなければ難しいと思うんです。なぜなら私は、その人ではないから。その人が持っている知覚の癖や思考パターン、価値基準など、ほとんど何も知りません。

もちろん、その人と同じ立場に立ったとき、私ならどうするか?ということは想像できます。しかし、それはあくまで「自分だったら」というシミュレーションであり、「その人の視点で物事を見て考える」ことにはならないと思うんです。

このあたりは「コウモリであるとはどのようなことか」という論文に書かれていることに近いかもしれません。もう少し詳しく知りたい方は、リンク先のページを参照してください。

人はみな、考え方や感じ方が全く違う。まずはそこを基本とし、それでも相手のことを知りたいと思ったら「あなたはどう考えるのですか」とご本人から聞き出すしかないでしょう。そうでなければ、いや、たとえそれをやったところで、その人の視点に立つなんてことはできないのではないでしょうか。

井上 真花(いのうえみか)

井上 真花(いのうえみか)

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。

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