井上です。先週からバンワークに出ていて、今は実家がある熊本県の天草に来ています。母が亡くなったあと、父はここで8年間一人で暮らしていました。年齢の割に心身ともに健康で、まだゴルフも楽しんでいるほど。そんなわけで、私たちはすっかり安心していました。
ところが私たちが実家に着く数時間前、父は自転車に乗ったまま転び、後頭部をぶつけてしまったそうです。かなり出血したため、自力で病院に行って傷口を縫ってもらったとか。家に着いた後、その話を聞いてゾッとしました。もし打ちどころが悪ければ、病院に着く途中で倒れていたかもしれません。
今回はたまたま私たちが帰ってきていたからまだよかったようなものの、この話を東京で聞いていたとしたら、私は心配で仕方なかったでしょう。遠距離介護の厳しさは覚悟していたつもりでしたが、実際にこういった出来事を目の当たりにするとうろたえてしまいますね。似たようなことは、きっとこれからも起きるのでしょう。
よく「介護に正解はない」と言いますが、本当にその通りだと思います。父が望むのは完全に守られた環境ではなく、自由と楽しみがある生活。家族と離れているのが不安だとしても、どうしても譲れないものがありそうです。だから様々な方法を模索しつつ、お互いに歩み寄りながら、その時点での「より幸せな道」を一緒に選んでいきたい。きっと簡単なことではないと思いますが。