Apple Podcastsが2024年8月19日にWebブラウザ版を公開し、Safari、Chrome、Edge、Firefoxなどの主要ブラウザで利用可能になりました。これにより、MacやiOSデバイス以外のユーザーもApple Podcastsにアクセスできるようになり、ポッドキャストの視聴体験が大きく拡張されました。
ようやくマルチデバイス対応
これまでも、MacやWindowsでApple Podcastsへのリンクをクリックすると、その場でエピソードの再生をすることができました。しかし、試聴をするくらいしかできず、継続してフォローするにはアプリが必要でした。
アプリはMac版とiOS版しかなく、WIndowsユーザーは古いWindows版iTunesを使う必要があり、Androidユーザーはサードパーティのアプリを使うしかありませんでした。
新たにリリースされたWebブラウザ版では、どのデバイスでもブラウザを通じてApple Podcastsを利用できるようになり、どんなデバイスでもApple Podcastsを利用できるようになりました。共通のアカウントで使用することで、フォローしている番組の情報や、エピソードをどこまで聴いたかなどの情報も共有されます。
インターフェースデザインもアプリ版に近いものになっているので、ブラウザでも迷わず使うことができ、デバイスを問わず一貫した体験が可能です。また、アプリのインストールが不要なため、ストレージ容量を節約でき、最新バージョンに自動更新される利点があります。
再生速度の調整やチャプター機能、日本では始まっていない字幕機能など、一部の機能はウェブ版では利用できないようですが、アプリの主要機能は概ね利用することができます。
パソコンのブラウザでアクセスすると、ログインしなくても無料ポッドキャストの検索と再生、ランキングの閲覧、エディター厳選のコレクションの閲覧が可能です。アクセスした際に英語になっている場合は、右下でロケーションを日本に変更すると、日本向けのトップ画面が表示されます。
Apple IDでサインインすれば、アプリで再生途中のエピソードが表示され、ライブラリもそのまま使えます。なお、WindowsやAndroidユーザーでもApple IDを新規で作成して利用できます。
iOSのSafariブラウザでアクセスした場合、自動的にアプリが起動してしまうことがありますが、ブラウザによっては同じように表示されます。
Apple Podcastsのサブスク向け有料コンテンツも試聴可能
Apple Podcastsは2021年からサブスクリプション機能を導入し、「チャンネル」の作成ができるようになっています。チャンネルは配信元が同じ複数の番組をセットにして配信でき、サブスク向けに有料コンテンツの提供も可能にした機能です。
主にラジオ局や新聞社などのメディアやポッドキャスト番組の制作会社がチャンネルを利用しています。これらもWindowsやAndroidユーザーには体験できないものでしたが、Webブラウザ版でも利用することができ、サブスクリプション購読もアプリと変わらず可能になっています。登録者向けの限定コンテンツも利用できます。
Apple Podcasts Webブラウザ版の可能性
かつてはApple Podcastsはポッドキャスト試聴アプリのデファクトスタンダードでしたが、この数年でSpotifyにシェアを抜かれ、昨年からはYouTubeもポッドキャスト対応をし、それらはWindowsやAndroidでも利用可能でした。Webブラウザ版の登場で、Apple Podcastsのユーザー層拡大が期待されます。
これまでApple Podcastsのエピソードをシェアしても、ポッドキャストを快適に聴けない人がいましたが、マルチデバイス対応になったことで、気兼ねなくシェアしやすくなります。
また、会社のPCなどで一時的に利用したい場合も、Webブラウザ版の方が気軽に利用できるので、ポッドキャストの利用の幅が広がる可能性もあります。
これまでApple Podcastsをアプリで使っていた人も、今まで使ったことがない人も、一度試してみてはいかがでしょうか?