災害時に遠く離れた家族と過ごす方法

先週、日本列島を大きな台風が襲いました。私の父は熊本で一人暮らしをしており、実家がちょうど台風の通り道にあたることから、正直、心配でなりませんでした。そんなとき思いついたのが、iPadのFaceTimeを使ったテレビ電話を活用し、父を励ますという方法です。

お盆休みに実家を訪れた際、私は父の家にiPadを設置し、医療法人社団鶴友会鶴田病院が公開している「医療機関向けiPad・FaceTime導入マニュアル」を参考に自動受信の設定をしてきました。父はITが苦手で、スマートフォンの操作もままなりません。以前、LINE電話を使って話をしようとしましたが、操作できなくて諦めました。しかし自動受信機能を設定しておけば、父が何も操作をしなくても自動的にテレビ電話が始まります。これなら父でも大丈夫そうです。

そこで台風が接近した当日、私は1時間ごとにiPadに電話をかけ、父の顔を見ながら今の状況について話したり、なんでもない雑談を楽しんだりしました。画面越しではありましたが、父は私の顔を見るたびにニコニコしていて、案外平気そうでした。しまいには「今日はずいぶん何度も電話をかけてくるねえ」と少し迷惑そうにクレームをいれてきたほどです。

夕方になると台風は過ぎ去り、父の日常が始まりました。父の日常生活をあまり邪魔したくないので、普段はできるだけ音声電話だけで話すようにしています。ただ今回の台風のように、父になにか特別なことが起きた時は、iPadを使っていつでも家族の顔を見ながら相談することができます。そういう環境があるというだけで、私と父の不安はかなり軽減されたような気がします。

遠距離介護の課題はいろいろありますが、その一つの解として、こういったテクノロジーを使ってみてもいいのではないかと思った出来事でした。私と同じような環境下にいる方の参考になれば幸いです。

井上 真花(いのうえみか)インタビュアー

投稿者プロフィール

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。日本冒険作家クラブ会員。

長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。

主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。

プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。ライフワークは「1000人に会いたいプロジェクト」

井上真花の公式ホームページはこちら

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