先週、日本列島を大きな台風が襲いました。私の父は熊本で一人暮らしをしており、実家がちょうど台風の通り道にあたることから、正直、心配でなりませんでした。そんなとき思いついたのが、iPadのFaceTimeを使ったテレビ電話を活用し、父を励ますという方法です。
お盆休みに実家を訪れた際、私は父の家にiPadを設置し、医療法人社団鶴友会鶴田病院が公開している「医療機関向けiPad・FaceTime導入マニュアル」を参考に自動受信の設定をしてきました。父はITが苦手で、スマートフォンの操作もままなりません。以前、LINE電話を使って話をしようとしましたが、操作できなくて諦めました。しかし自動受信機能を設定しておけば、父が何も操作をしなくても自動的にテレビ電話が始まります。これなら父でも大丈夫そうです。
そこで台風が接近した当日、私は1時間ごとにiPadに電話をかけ、父の顔を見ながら今の状況について話したり、なんでもない雑談を楽しんだりしました。画面越しではありましたが、父は私の顔を見るたびにニコニコしていて、案外平気そうでした。しまいには「今日はずいぶん何度も電話をかけてくるねえ」と少し迷惑そうにクレームをいれてきたほどです。
夕方になると台風は過ぎ去り、父の日常が始まりました。父の日常生活をあまり邪魔したくないので、普段はできるだけ音声電話だけで話すようにしています。ただ今回の台風のように、父になにか特別なことが起きた時は、iPadを使っていつでも家族の顔を見ながら相談することができます。そういう環境があるというだけで、私と父の不安はかなり軽減されたような気がします。
遠距離介護の課題はいろいろありますが、その一つの解として、こういったテクノロジーを使ってみてもいいのではないかと思った出来事でした。私と同じような環境下にいる方の参考になれば幸いです。