「ワ・ラッセの館」と「立佞武多の館」を訪ねて

青森の伝統文化「ねぶた」について、私はこれまであまりよく知りませんでした。「ねぶた」と「ねぷた」という名前の違いすら曖昧だったほど。

ネットで調べてみたところ、「ねぶた」は青森市を中心とした地域の祭りで、横長の形状が特徴です。高さ5メートル、幅9メートルほどの大きさで、人物や物語の一場面を描いた絵柄が和紙に描かれ、内側から照らされるとのこと。一方、「ねぷた」は弘前市を中心とした津軽地方の祭りで、縦長の形状が特徴的です。高さは約20メートルにも及ぶものがあり、扇型の形をしているとのことでした。

であれば両方見てみるしかないと思いましたが、祭りの時期に青森を訪れる予定はありません。そこで、「ワ・ラッセの館」と「立佞武多の館」を訪れることにしました。

まず足を運んだのは「ワ・ラッセの館」です。そこで「ねぶた」の展示を見て、その鮮やかな色彩と圧倒的な大きさに思わず息を飲みました。この館では、ねぶたの展示だけでなく、ねぶた体験もできます。跳人の踊りを見学したときは、自分も飛び入り参加したくなるほどの高揚感を覚えました。

次に訪れたのは「立佞武多の館」です。館に入る前、建物の横に設置された大きな扉が目を引きました。これはいったいなんだろう?と思い調べてみたところ、祭りの際にここから巨大な立佞武多が出てくるとのこと。つまりこの建物は単なる博物館ではなく、実際に使用される立佞武多の格納庫でもあるんですね。

館内に入ってすぐ、立佞武多の大きさに驚きました。先ほど見た横ねぶたも相当大きかったですが、立佞武多はその比ではありません。高さ約24メートルという数字を聞いただけで目眩がしそうでした。エレベーターで上階に進むにつれ、立佞武多の全容が少しずつ明らかになっていきます。目の前で見上げると、その巨大さがより一層際立ちます。

4階には休憩用のベンチが設置されており、そこでねぷた祭りの映像を鑑賞しました。画面から伝わってくる熱気に、まるでその場にいるかのような錯覚を覚えるほどでした。

今回の旅で2つの館を訪れ、ねぷた祭りにすっかり魅了されてしまいました。館の展示や映像も十分に感動的でしたが、やはりいつかは実際の祭りに参加し、生の熱気を肌で感じたい。いつかきっと実際に現地に行き、跳人の踊りに参加しようと心に決めた旅でした。

井上 真花(いのうえみか)インタビュアー

投稿者プロフィール

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。日本冒険作家クラブ会員。

長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。

主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。

プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。ライフワークは「1000人に会いたいプロジェクト」

井上真花の公式ホームページはこちら

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