大間「あけみちゃん号」の「マグロだけ丼」

グルメ

青森県の最北端にあり、本州最北端の地として知られる大間。ここで有名なのは、なんと言っても「大間のマグロ」でしょう。この夏、私はその大間で生涯忘れられない味と出会いました。

大間には「大間崎テントサイト」という無料のキャンプ場があります。周辺には食べ物屋さんがずらっと並んでいて、さまざまな海の幸が楽しめます。私たちの目当てはマグロなので、看板に書かれているメニューを確かめながら「あけみちゃん号」というお店に入りました。

店内に入ると、活気あふれる雰囲気と、新鮮な魚介の香りが私を出迎えてくれました。メニューを見ると、マグロ料理がずらっと並んでいます。気になるのは「マグロだけ丼」というメニュー。3200円という値段を見て少し躊躇しましたが、大間まで来たからには絶対に食べたい一品。勇気を出して注文することにしました。

注文から程なくして、待ちに待った「マグロだけ丼」が運ばれてきました。一目見た瞬間、その見た目に圧倒され言葉を失います。丼一面に敷き詰められた、分厚いマグロの切り身。こんな丼、これまで見たことはありません。なんでも、あけみちゃん号では冷凍マグロを一切使用しておらず、常に新鮮な生マグロのみを使用しているのだそう。これを聞いただけで、その味への期待が高まります。

さっそく箸でマグロをつまみ、口に運びます。その瞬間、思わず目を見開いてしまいました。なんという美味しさ! 分厚い切り身なのに、口の中でとろけるような食感です。そして何より驚いたのは、全く臭みがないこと。これまで私が食べてきたマグロとは、まるで別物のようでした。
一口、また一口と、気がつけば夢中で食べ進めていました。マグロの旨味が口いっぱいに広がり、その味わいに心を奪われていきます。「これぞ、本当のマグロの味」と、身をもって感じることができました。

食べる前は躊躇した3200円という価格ですが、この「マグロだけ丼」を食べ終わった後、むしろ妥当であると感じるようになりました。使用されているマグロの質、量、そして何より、その味。これらを総合的に考えると、3200円という価格は十分に納得できます。むしろ、このクオリティの料理をこの価格で提供してくれることに感謝の念すら覚えました。

これは相方が食べた「まぐろ刺身定食」。大トロ、中トロの違いが楽しめて、これも貴重な一品でした。ちなみにこの地をよくご存知の方によると、「大間に行ったらマグロじゃなくてウニでしょ。地元の人はみんなウニを食べてるよ」とのこと。次回は絶対、ウニを食べなくちゃ。

井上 真花(いのうえみか)

井上 真花(いのうえみか)

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。

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