文具から始まる推し活があってもいい(よね?)

レビュー&コラム

ある日、ペンケースを取り出した時のことでした。そのとき同席していた方から「推し活ですか?」と聞かれ、一瞬なんのことかわかりませんでしたが、よく話を聞いてみると、なんと私が使っているこのペンケース「ピープ」(コクヨ)のことらしい。

このように、私は透明な部分に好きな切手を入れて楽しんでいるのですが、どうやらこれが「推し活文具」としての正しい使い方のよう。推し活の場合、ここに推しの写真などを入れるそうです。特に意識していなかったのですが、たまたまピーターラビットの切手を多めに入れていたことから「ピーターラビット推し」と言われ、思わず笑ってしまいました。

話を聞いてみると、世の中には実に様々な推し活文具があるそうで、最近では「パンケース」(コクヨ)という名の推し文具も登場しているとのこと。せっかくなので私も推し活デビューしてみようと思いたちました。しかし、そこで大きな壁にぶつかったんです。そう、私には「推し」がいない。

「推しがいないなんて、なんてつまらない人生でしょう」。以前、どこかで聞いた台詞が蘇りました。いけない、なんとか推しを見つけなければならない! …そんな妙な使命感にかられてしばらく悩んだ挙句、ようやく思い至ったのが亡き愛犬たちのことでした。一般的な意味での「推し」とは少し異なるかもしれませんが、彼らのことを思うと思わず微笑んでしまうし、自然と彼らの幸せを祈ってしまう(もうこの世にいないんだけど)。これを「推し」と言わずして、なにを推しといえばいいのか?

こうして完成したのが、愛犬チョコちゃんとマロちゃんの写真を納めた「愛犬推し」パンケースです。いざ、ご覧あれ。この充実した神殿(推し活ではそういう用語を使うそうです)、ちょっとしたものではないでしょうか。


これを持ち歩き、時々取り出して開いてみれば、我が愛しのチョコちゃん&マロちゃんにいつでも会えるのです。これぞまさに、私なりの推し活に違いありません。これまで「推し活」の魅力が今ひとつピンとこなかった私ですが、推し活文具との出会いを通じて、その楽しさが少しだけ理解できたような気がしています。

井上 真花(いのうえみか)

井上 真花(いのうえみか)

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。

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