前書き



 食べるのが好きです。だから一食一食を無駄にしたくないのです。いつも外食する時は悩みます。自分が今、一番何を食べたいのか。

 その時の気分に合わないものを食べてしまった時や値段の割りに満足感が無かった時など、「負けた」という気になります。僕らは、よく「負け飯」と呼ぶのですが、食事は一回一回が勝負なのです。人生のうち、あと何回美味しい食事ができるのかは、間違いなく有限です。だから一回たりとも無駄にしたくないのです。

 そんな食いしん坊というか食い意地の張っている僕は、食べ物のことばかり考えています。実は本職はアダルト系のライターなのですが、食べ物のことについてもよく書きます。食欲と性欲、どちらも人生において最高の喜びですからね。

 本書はここ数年間に僕が雑誌やネットに書いた食べ物についての文章をまとめたものです。高級なものはひとつも出てきませんが、ほとんどが僕にとって至高の喜びを与えてくれた食べ物ばかりです。

 この幸せな気持ちを読んでくれる方と共有できたら嬉しいです。



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